たけのこ

子どもの頃、町内に山がたくさんあって、

タケノコがたくさん採れた。

ももたろうの家では山は持っていなかったけれど、

近所の人からもらったり、

山の持ち主が子どもたちを集めてタケノコ掘りを企画したり、

とにかくタケノコは身近な食べ物だった。

今は、京都の料亭に出るとかいう、「○○のタケノコ」が

有名だが、

あれは、広告宣伝がうまかったから全国区になったけれど、

近所の山でも、おいしさは、そんなに変わるもんじゃない。

むしろ、金をかけずに

「○○のタケノコ」よりもおいしいタケノコを

ももたろうたちは食べていたように思う。

3月下旬から5月の連休にかけて、

食卓にはタケノコを使った料理ばかりが並ぶ。

タケノコごはん、タケノコの味噌汁、タケノコの和え物、

なんにでもタケノコは主役となって、皿に載っている。

毎朝、毎昼、毎晩、食べるのだが、季節もののせいか、

とてもおいしい。

おいしいけれど、1か月も毎日食べていると、

さすがに、「もういいかな」と思えてくる。

そんな思いが芽生えてくるころが、

タケノコのシーズンの終わりだ。

ゴールデンウイークが終わる頃だ。

今、地元の山では、タケノコを作っていない。

20年ほど前に、安い外国産のタケノコが入ってきて、

みんな作るのをやめてしまった。

タケノコは、勝手に生えてくるわけではなく、

木を伐ったり、肥料をやったり、

日当たりをよくしたり、

とにかく山の世話をしなければならないから、

年寄りばかりの田舎では、

タケノコ山を維持していくのは難しい。

今では竹ばかりの山になってしまって、

おいしいタケノコは出てこない。

ももたろうが口にするタケノコも、

子どもの頃に比べれば、とても貴重な品になった。

大人になったももたろうは、

とても貴重なタケノコを

少しずつ噛みしめるようにして、

大事に食べている。

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